屋根裏'的2018年上半期ベスト9を聴いて欲しい。
2018年が半分過ぎたのである。と、いうことで今年の上半期ベスト9を決めることにした。
なおArctic MonkeysやKanye West,MGMT,Tom Mischあたりの新譜は多くの人が挙げる筈なので今回のベストでは割愛というか殿堂入り扱いとさせて頂く。また選考基準の1つとして最低でも数週間聴いた作品であることを条件としているため6月中旬以降の作品は入れていない。
また管理人の好みはR&B,ソウル,オルタナティブ,電子•実験音楽でありこれらのジャンルが中心となったランキングであることにご留意を。
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◆上半期ベスト9
□第1位 Oneohtrix Point System/Age Of
第1位はOPNの新作!もうこれに関しては一聴してくれとしか紹介出来ないのでとにかく聴いて欲しい。表題曲Age Ofや架空の映画サントラToys 2も良いのだが、管理人的にはWarningがお気に入りだ。
□第2位 Sirintip/Tribus
Snarky Puppy擁するジャズ/オルタナティブレーベルGroundUP Musicより超大型新人がデビュー。彼女の名はSirintipだ。このレーベルによる発表曲の中では割と実験的といえる音色で、チルいソウルかと思えば祭囃子のようなコーラスの入ったエレクトロナンバーも。
余談だがMicheal Leagueの魚群探知機というか審美眼はやはり侮れないと感心した(自身のツアー中に引き抜いたという噂も?)。また同レーベルから今年リリースされたAlina Engibaryanというアーティストにも要注目だ。
□第3位 Takaryu/Resources
このアルバムについては以前投稿した新人発掘企画で詳しく紹介させて貰ったのでぜひそちらを参照下さい。
新人発掘プロジェクト Vol.2:Takaryu - 屋根裏のDig日記。
上半期ベストを選ぶ際様々な基準で悩んだが、このアルバムは'とにかく聴いた部門'として選んだ。管理人が国内で最も注目しているアーティストはTakaryuだと胸を張って言える。それくらい衝撃を受けたので3位に。
□第4位 Clown Core/Toilet
こちらも以前の記事で紹介したのでここでは割愛。
あの記事ではルイス•コールがドラマーで時折参加しているトランペット担当がもう片方なのではという説を提唱してみたが、Knowerが参加したフェスの彼らのブースでToilet収録のBuy This Albumが流れていたという情報もあり恐らく仮面の下の正体は確定したと言える...はず。笑
□第5位 Charlotte Day Wilson/Stone Woman
カナダはトロント出身のシンガーソングライターCharlotte Day Wilsonの新EP。Doubtにどハマりして以来彼女の滑らかでミステリアスな歌声に魅了されてきた管理人には今回のEPがとにかく刺さった。R&B,ソウルを基盤に展開されるCDWワールドにあなたも引き込まれること間違いなし!
□第6位 坂本龍一/Life,Life(Anenon Dream mix)
昨年発売された坂本龍一のアルバムAsyncに収録されていたLife,Lifeを新鋭のエレクトロニカトラックメイカーAnenonがリミックスした一曲が第6位。原曲は厳かかつ単調なピアノと瞬間的に現れる異音との調和が印象的だったが、Anenonによるリミックスver.では笛とピアノを中心としたメロディアスな展開やシンセサイザーの高音、ノイズサウンドがプラスされ'物語性'が強まったように感じる。上半期発表のアンビエント曲ではこれが圧倒的1位である。
□第7位 Goldmund/Occasus
上半期でLife,Lifeの次に聴いたアンビエント曲がGoldmundのOccasusというアルバム。Goldmundはこの名義以外にも他に2つの名前で活動しているのだが、やはりGoldmund名義で発表される曲が1番好き。前アルバムThe Malady Of Eleganceに引き続きピアノを基調としたアンビエントが基本構成だが、ピアノがより動的に揺らいでいるのが特徴的か。お気に入りはBeforeとMigration。
□第8位 Detroit Swindle/High Life
5月の新譜特集でも紹介したDetroit Swindleの新アルバム。とにかくオシャレ。一聴したら踊りたくなること間違いなし!!
□第9位 Nao Kawamura/Kvarda
昨年発売のEP「Rescuer」で出会って以来すっかり虜になっているアーティストがNao Kawamura。SuchmosやWonkのバックコーラスを務めた経験もあり、日本のジャジーオルタナティブ/ソウルシーンを牽引する1人でもある。Rescuerよりもさらに洗練され研ぎ澄まされた感覚とブレない軸を感じさせてくれるのが今作Kvardaだ。管理人が特にハマったのがAwakeという曲で、ヨハン•ヨハンソンのKangaruを彷彿とさせる序盤のコーラスが印象的。彼女が意識したのかは不明だが管理人が敬愛する攻殻SACのサントラっぽさを感じたのも高評価の要因である。
◆上半期秀作曲
オマケとして、ベストとまでは行かずとも印象深かった曲や注目アーティストの秀作新譜を紹介しよう。
・Plage84/Was It Real?
こちらは近日中に新人発掘企画で紹介したいと思っているアーティストPlage84の新EP。Drowing Sandのようなハイテンポなエレクトロニカ、Femi Jayeをボーカルに迎えたRainbow Hairのようなヒップホップとの融合、そして流行りのネオソウルサウンド 具体的に言えばTom Mischの小躍りしたくなるポップなサウンドの潮流に乗るOpen The Windowと、とにかく器用。盤で欲しかったのだがデジタルリリースのみのようで悲しい。皆もっと聴いて有名にしてあげて!!
・Zoology/Bloom
カナダのエレクトロR&BデュオZoologyのデビューEP。音像的にはKlloをイメージさせるが、よりタチが悪い明るさを感じるのだ。笑
Backwaterのジャケットを見て貰えば判るようにklloは露骨に'暗さ'を押し出している。まさに淀みで揺れているような印象だ。
一方Zoologyの場合、Bloomのジャケットで判るように'明るさ'を押し出している。
だがUnravelの後半展開される突然のアンビエントサウンドに代表される闇が時々垣間見えるのである。管理人は捻くれているので、この辺に「いつも笑っているのに素性が全く分からないヨーロッパのミニシアター系映画の殺人鬼」イズムを感じてしまって惹かれてしまうのである。
ただし、Bloom収録曲の曲調が似てしまっていることからベスト圏外に。今後の成長に期待したい。
・Prefuse73/Sacrifices
ヒップホップとエレクトロニカの融合で有名なScott Helenのソロプロジェクトの1つがこのPrefuse73だ。James Tilmanをボーカルに迎えたSilver&Goldがオススメ。
・Alisa/Walls
こちらも5月の新譜記事で紹介しているので割愛。
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